●信濃町「メーヤウ」の大辛カレー
皆さんは、もし「地球が明日でおしまい」と言われたら、最後の1日に何をしますか?
私だったら、タマネギを剥き始めカレーを作ることでしょう。
また、「安易なことを言って」と思われるかもしれませんが、まんざらでもありません
なぜなら、Qooのお産が始まったとき、私は陣痛に耐えながらカレーを作り食べま
した。出産ってある意味命がけです。もう家に帰ってこれないかも知れないと本能
で悟ったのです。だったら...と思った次の瞬間にはタマネギ剥いてましたから...
その食べたいカレーの原型が、日本のタイカレーの草分け的存在
このお店に通うようになって、ちょうど20年。当初は信濃町駅前に掘っ立て小屋
のような様相で建っていました。まるでぞうきんというかぼろ布のような「のれん」が
掛かっていて、あたりに何とも言えないナンプラーの香りを漂わせて.....。
慶応大学病院が目の前で、この掘っ立て小屋でカレー食べながら医学生が
口頭試問をしている光景を良く目にしてました。........すごくシュールな空間だったなぁ。
子供の頃からカレーが大好きで、小学校5年生のころには自分で作って研究したり
していましたが。最初にメーヤウの大辛カレーを食べたときのカルチャーショックは
忘れられません。未体験の辛さ、魚醤の出汁、かすかなココナッツミルクのまろやかさ
....。一遍でとりこになってしましました。
近くに職場があったので通いましたねぇ~~。そのころ結婚しQooを妊娠したことで
職場を辞めても(職業柄妊娠すると仕事ができません)、メーヤウだけには未練が
あって、お店のそばの陶芸教室に入会。陶芸は口実で、ただ、ただカレーを食したい
がために信濃町に通いました。
そのころ、メーヤウのご主人に勧められて買ったメイプロイのレッドカレーペースト。
いよいよお腹が大きくなってメーヤウに通えなくなっても、四谷の丸正で買い占めて
お家で作っていたのが、くだんの出産カレーです。20年。住んでいる場所は変わっても
このカレーペーストを切らしたことは一度もない。まさに常備食材。
今でも一年に一度は食べたい、メーヤウの大辛カレーです。
今のお店はこんな感じ、
たぶん初めての方は入りにくいでしょう。この点は、あまり変わりません
お店は広くて綺麗なりました。今や全国的な人気店。
いつも座っているカウンター席。今日は空いている時間の訪問かつ
写真を撮りたいので、テーブル席。小さな窓から厨房が見えますが、
このお店になってから、奥さんはいてもご主人を見たことがありません。
どうされたのでしょうか?
今日はあまりに愛するお店で前置きがながくなっちゃいました~。
席に着けば、目にはいるのは辛み香辛料の数々。
でも大切なのはこれです。ナンプラーにプリッキーヌのみじん切りをつけ込んだ
プリックナンプラ ※プリッキーヌとはタイの青唐辛子のこと
お待たせ~メーヤウ大辛カレー。
普通盛りです。
「大辛ごはん大盛り!」とか「カレー大盛り」とか、盛りを自由に頼めます
普段私は絶対
「大辛両方大盛りで・・・」
と頼みます。でも今日は普通盛り、なぜならこのあと
ステキなお友だちと食事をする約束をしているから.......^^
ま、このあたりはつっこみ所満載ですが、話を膨らませすぎても...なのでスルー
今日はそんなに辛くありませんね、日によってコクや辛みに差があります
辛いときはもっと真っ赤なの...
他のカレーはこんな感じ、
右端から時計回りで、甘口、辛口、大辛、タイのおそば
辛口と甘口はとってもエスニック色が強く、辛口のお皿にバイマックルー
(こぶみかんの葉)が見えるようにタイのハーブも、ココナッツミルクもたっぷり。
大辛は日本人向けにアレンジ、特にココナッツミルクは少な目。
ですので、
エスニック好きさんは甘口か辛口で、カレーマニアは大辛がお勧めです。
また、大辛はメーヤウカレーとの店名を冠した別名があります。
欧風カレーのような小麦粉でつけたとろみはありません。
シャバシャバカレーは、ごはんにソースを引くと、
すーっと沈み込んでいます。
しゃばしゃばカレー愛好家の至福のひととき.....
ただし、ここでおしゃべりしたり、私みたいに写真を撮りまくったりして時間をおくと、
ごはんが汁状のソースを吸ってしまいます。こうなるとリゾット状になってしまうので
美味しくありません、なのでここで写真は放棄....^^
大辛の具は、鶏肉・じゃがいも・ゆで卵。これは私的にカレーの三種の神器。
卓上のプリックナンプラを投入しフォークとスプーンで具を砕いて、ソースがごはんに
染みすぎないよう手早くミキシング
この状態で、一口。
うんまぁ~い。久しぶりのこの味っ!
正直、今日はコクや旨味、そして辛みも不足してる
でも、ここで安易に味が落ちた~とか、言うべきではないわね!
通い詰めてたときもそういう日はあったんだし.......
なにしろメーヤウはぁ~私の~♪
青春~~、そのものぉ....なんだから
あれ、なんか替え歌みたいになっちゃったわ。
最初は1/3位にソースをかけて食べ始めるのだけど、最初の一口で
まさに導火線に火をつけた時みたいに、おいしさに引き込まれて
完食まっしぐら、残りのソースも全部ライスのお皿に投入しひたすら食べる。
旨い!旨い!これだよ~~。
と、心の中で納得しながら........
完食!
ごちそうさまでした。
今度はいつ来られるかな~。
メニューです。ちょっと値上がりしましたね。興味のある方は大きくして見てください。
当店は1983年創業のタイカレー専門店。
メーヤウと名乗る他の店とは一切関係がありません
と書いてあります。
信濃町の他、早稲田、神保町(現在経営者が変わり営業)
東林間(今年3月に休業)長野にも店舗があり....孫的お店にも有名なお店があります。
メーヤウのカレーは強烈に個性的、なので「ヤウヲタ」と呼ばれるフリークも存在し、
メーヤウの系譜がどうなのか?という問題はよく話題になります。
1983年創業、メーヤウを名乗るお店の開業時期を調べれば、この信濃町メーヤウ
が一番古く本家本元であることは知られているところですが
本家が一切関係が無いというと事は、色んないきさつがあるのでしょうね。
ただ、今回調べたところ、本家メーヤウから派生したお店がそれぞれにピークを過ぎ
休業や経営が変わったりと変動を期しているようです。メーヤウ信濃町が経営していた
メーヤウ村という四谷の店も最近閉店になりました。
一時期膨らんでいたメーヤウが淘汰されているのでしょうか、10年ほど前の状況に
もどっているようです。メーヤウがまた新たな時代に突入しているのかも知れません。
私の場合は、これからもず~っと信濃町メーヤウに細々と通うのでしょうが.....
●タイ食堂 メーヤウ
新宿区信濃町21大門ビルB1F 03-3355-0280
休日: 日曜・祝日
営業時間: [月~金] 11:30~20:00 [土] 11:30~19:00
●誰にでも、なつかしい青春の味ってあるよね、って思ったら応援してね!
ありがとう只今2位です